ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art / No,679/2025 / No,004

ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art No,679/ 2025 / No,004
⚫CAPY&BARAの冒険
番外編「ｶﾞﾗｸﾀ山のﾋﾟｯﾋﾟ」
ｸﾗ「死んじゃﾀﾞﾒだ!! 生きろ!! 生きろ生きろ生きろ!!　誰かぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


涙の跡が残る真っ赤な瞳で､子貴族を抱え走るｸﾗの姿


雲が晴れ青空が広がるMOMIJI
MOMIJIの周りを囲む軍隊の飛行船
ﾊﾟﾌﾟﾘｶの煙突から伸びる塔の上にも一隻の飛行船が着き

塔の上ではぴっぴやﾎﾟﾁの命を繋ぐ手術がｴﾄﾞを中心に行われていた

その頃､ﾊﾟﾌﾟﾘｶの下MOMIJIの最下層には､居るはずのない貴族とその貴族の子供､子貴族の姿

軍隊によって切り離された貴族の住む上層部と最下層､全貴族達が上層部ごと確保される中､最下層に現れた貴族は我が子を監獄送りにされるまいと奴隷のｸﾗと我が子を入れ換え命を繋ごうと企んでいたのだが

そんな身勝手な思いはｸﾗの大切な家族によって失敗に……

IR2に吊るされ､足掻いた挙げ句､IR2に放った銃弾がIR2の身体を貫き同時に我が子をも貫いてしまった……

銃声の残響だけが耳に残る

力無くその場に倒れる子貴族
その姿を見て真っ白になる貴
IR2は完全にとどめをさされ停止する

ｸﾗもまた目の前で起こった出来事に言葉を失う
それから数秒後勝手に溢れだす波が地面にﾎﾟﾄｯと落ちた瞬間我に返ったように声をあげ泣き出すｸﾗ

ｸﾗ「うぁぁぁぁぁぁっ!!みんな､ふぉうしてみんな居なくなっちゃうんだぁぁぁぁ……うぐぐくぅぅ……」

そんな時､頭の中に響くｴﾃﾞｨの声

「ｸﾗ……　人を恨んではﾀﾞﾒだ､目の前の弱い人を救える人になりなさい……」

ｸﾗ「ｴﾃﾞｨ……」

ｸﾗの視線の先に映る倒れた子供の姿

と､涙がぴたりととまり
頬に残る涙を拭うと､ごくりと唾を飲み込み
踏ん張り立ち上がるｸﾗ

一瞬閉じた目蓋の暗闇に映るぴっぴの姿

「ｸﾗ…… 生きろ」

その声に無言で頷くと

ｸﾗ「ぴっぴ……　うん｡」

と､それまでの弱々しかったｸﾗが嘘のように
倒れた子供を抱え走り出す

ｸﾗ「死んじゃﾀﾞﾒだ!! 生きろ!! 生きろ生きろ生きろ!!　誰かぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


涙を拭い立ち上がるｸﾗ､踏ん張り走り出すｸﾗ
自分もみんなに助けてもらった｡命を繋げてもらった｡今度は僕の番｡

ｸﾗ「誰かぁぁぁぁぁぁっ!! 助けてぇぇぇっ!!」

と､涙まじりの大声で､塔の上にまで響く声で助けを求め駆けるｸﾗ

塔の上では､そんなｸﾗの声に反応するように手術中のぴっぴの瞼がﾋﾟｸｯと動く

ｴﾄﾞ「今のは……」

その声に直ぐに反応し動き始める女性

女性「私が……」

そう言うと医療道具のは入った鞄を手に塔の端まで進んでいく女性

その靴の足の裏にはぴっぴの履いている靴と同じように小さな雲発生装置が……

女性「待ってて……」

そう言うと､塔の下を見つめ空中へ一歩踏み出したかと思うとそのまま落ちていくのではなく降りていく

女性「父さんがくれた靴､今でも生きてるよ……」

その頃､子貴族を抱え大声で助けを求め駆けていたｸﾗの足元がよろけ思いきり地べたに転ぶ

ｸﾗ「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

情けなさと悔しさと焦り大粒の涙がまた溢れだす……

と､そんなｸﾗの前に雲を纏い空から降りてくる女性の姿が映る

ｸﾗ「えっ!? 天使……」


ｸﾗが運んだ小さな命､繋げる為に舞い降りた天使
子貴族の運命やいかに……




つづく
世界に一枚の、原画です。


Size M size

使用　アクリル/ボールペン/コピック/色鉛筆/ミリペン

＊こちらの作品は、額縁もセットになっております。
　額縁のサイズは以下の通りです。
　Size S (縦16cm / 横12cm)
　Size　M (縦21cm / 横16cm)