ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art / No,635/2024 / No,144

ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art No,635/ 2024 / No,144
⚫CAPY&BARAの冒険
番外編「ｶﾞﾗｸﾀ山のﾋﾟｯﾋﾟ」


ﾊﾟﾌﾟﾘｶの煙突から吹き出した雲に覆われた塔の上｡
Mr YAMAMURAに宿った赤い島の寄生獣ぼっぢ､ｴﾃﾞｨをのみ込み､またﾎﾟｴﾛをのみ込み雲猫ﾎﾟﾁの体を貫き
そして更に巨大ﾛﾎﾞIRFの固い鉄の機体をも貫き
押さえつけられて尚､ぴっぴへの攻撃を止めず斬られても斬られても攻撃を止めずその鋭く尖った片腕の爪そして珊瑚のような鬣でぴっぴへの攻撃を繰り返していた

ぴっぴもぼっぢの絶え間なく繰り出される攻撃に距離を縮めることが出来ずにいた

そんな時､機体を貫かれたIRFの片腕が爆発し吹き飛び自由の身となるぼっち

爆発した煙で辺りの視界が奪われる

ぼっぢ「ﾋﾋｯ……」


煙に包まれた世界の隙間から覗くIRFを見上げたぴっぴ

煙の中からぴっぴめがけ伸びるぼっぢの鬣と鋭く尖った爪

小人達「危ない!!!!」

それにぴっぴ気づいた瞬間……
ぴっぴの体を貫くぼっぢの尖った爪や鬣の鈍い音

片目を貫かれ､片足を斬られ､片腕を斬られ血だまりの中にそれでも立っていたぴっぴだったが

すぐに力が抜け､薄れていくぴっぴの視界

ぴっぴ「生きろ……」

そう呟き自分の体からこぼれた血でできた血だまりに吸い寄せられるように倒れる

駆け出す希望達の息遣い

小人達の体は血の鉄分を勝手に吸収し真っ赤に染まる

ぴっぴの斬られた手足を繋ぐように､そして吸収した血を纏い､これ以上失わないようにぴっぴの手足に貼り付いていく小人達

目の前で繰り広げられる光景に怒りを露にするぼっぢ

膨れていた頭を元へ戻し､爪を鬣を戻し

ぼっぢ「ｵｨｵｨｵｨｵｨｵｨ!!!!!」

と､自分が作り出した小人達に声を投げた瞬間

振り上げた手を鬣を更に倒れているぴっぴへ小人達の方へ向けようと腕を上げた瞬間

空から響く声

謎「オィッ!!!!!!!」

ぼっぢ「……?」

辺りを見回すもそれらしき声の形はない

すると更にぼっぢへと投げられる声

謎「オィッ」

ぼっぢ「んっ?」

と､雲の割れ目から覗く空へ視線を向けるぼっぢ

ぼっぢ「空……」

そっと､重たく閉じた瞼の隙間から､空から響く声に視線を向け
優しく微笑むぴっぴ

ぴっぴ「風…… 風の声……」

IR2に抱えられ塔を降りていくｸﾗにもその声が聴こえたのか､もっと大粒の涙が溢れ空へ飛んでいく

そんな涙に心をのせ､風の声に

ｸﾗ「助けて……ぴっぴのこと……」

雲の割れ目から覗く空
そんな空高くもっと高くから

塔の上を見下ろす風

そんな風の指先がﾊﾟﾁﾊﾟﾁ線香花火のような火花を散らしたかと思った次の瞬間

ズッドォォォォォォォォォォォォンッ!!

と､空気を裂き塔の上のぼっぢめがけ稲妻が落ちる

一瞬塔の上が光りに包まれる
ぼっぢは一瞬で真っ黒な影になり

辺りが焼け焦げたぼっぢの体から溢れた煙に包まれる

煙の中から聴こえる足音

ぴっぴやｸﾗにだけ風にのせ声を届ける

謎「もう…… 大丈夫だよ…… 」

塔の上に降りたった風の声はとても優しく､痛みも苦しみも､悲しみも全部包み込んでくれるような

そんな風……




つづく


世界に一枚の、原画です。


Size s size

使用　 シャープペンシル/ボールペン/色鉛筆/コピック

＊こちらの作品は、額縁もセットになっております。
　額縁のサイズは以下の通りです。
　Size S (縦16cm / 横12cm)
　Size　M (縦21cm / 横16cm)