ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art / No,704/2025 / No,029

ART GROUP HASHIGOTAKA「髙」Minimum art No,704/ 2025 / No,029
⚫CAPY&BARAの冒険
番外編「ｶﾞﾗｸﾀ山のﾋﾟｯﾋﾟ」
MOMIJIの家族の生まれ故郷､雲の島CLOUDへ
向かう船へ駆けていくｸﾗ

本当は「みんな一緒が良かった……」そう思いながら､頭に浮かぶ思い出に勝手に涙を浮かばせ……

そんな思い出達を心に抱え､鼻をすすり
無理やり微笑み一歩を踏み出したｸﾗ

明日へ一歩また一歩駆け足で踏み出し
ぴっぴやﾎﾟﾁが居るはずの船に乗り込む

MOMIJIの､ﾊﾟﾌﾟﾘｶでの奴隷として生きてきた人々が溢れる船内､甲板
これまで生きてきたMOMIJI出の時間を振り返り涙する者､解放され歓喜に沸く者､沢山の感情や声､心が溢れる船

そんな船の船尾から皆で暮らしたﾊﾟﾌﾟﾘｶの方へ視線を向けるｸﾗ姿

ｸﾗ「ぴっぴ､ﾎﾟﾁ二人とも他の船に乗ってるよね……またCLOUDで逢おうね……ｴﾄﾞ……」

船のｴﾝｼﾞﾝが始動しﾌﾟﾛﾍﾟﾗｶﾞ回転を始める

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞと大きな音で鳴き始めるｴﾝｼﾞﾝ
ふわりと足元が浮かび上がる感覚と共に
船体がMOMIJIから浮き上がると

みるみるうちにMOMIJIから離れていく船

しばらくそんなMOMIJIの姿を見つめていたｸﾗも

勝手に瞳からこぼれる涙をぬぐい
船尾の手すりから片手だけ伸ばすとMOMIJIに


ｸﾗ「ありがとう……またね」

と声を投げ､MOMIJIに背を向けその場に膝を抱えしゃがむとCLOUDでの新しい一歩を想い
ぴっぴやﾎﾟﾁの事を想い少しだけ不安だった心があたたかさに包まれる……

遠ざかっていく船を見つめるｴﾄﾞ

ｴﾄﾞ「行ったか……」

と､手術を終え眠りにつくぴっぴの瞳から涙がこぼれる

ぴっぴ「またね……ｸﾗ」

そんなぴっぴの枕元に寄り添うﾎﾟﾁ

ｸﾗとは別の船の船尾､貴族の子供を救った女性の姿

遠ざかるMOMIJIを見つめ

女性「MOMIJIに残るか……　ｴﾄﾞ､またね……」

離ればなれになっていくそれぞれの想い

ｻﾖﾅﾗから数カ月後の空の上

その日雲に覆われたMOMIJI

未だに海へ落ちることなく､風に乗り空に漂うMOMIJI

ただ､どう言うわけかﾊﾟﾌﾟﾘｶから吹き出した雲のせいか自然の雲か
雲を纏い漂うMOMIJI

そんな雲に覆われた空の上のMOMIJIには
雲とは違う大きな影が大きな口を開け
世界中に響くような遠吠えで鳴く

ﾜｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｯ

ぴっぴ「はぁ…… 風の無い夜…… お前はどうしてそんな風に鳴くんだ? ﾓﾌ……」


【ｶﾞﾗｸﾀ山のぴっぴ】完



世界に一枚の、原画です。


Size M size

使用　アクリル/シャープペンシル/コピック/ボールペン/色鉛筆

＊こちらの作品は、額縁もセットになっております。
　額縁のサイズは以下の通りです。
　Size S (縦16cm / 横12cm)
　Size　M (縦21cm / 横16cm)